参院選 過去の自民移籍組は悲喜こもごも

　自民現職桜井の集会で中野正志元参院議員は「過去の経緯はどうあれ、一度決めたら結束し、歴史を積み上げてきたのが自民党だ」と会場後方から拍手を送った。中野は１８年の復党後、立候補を模索したが党の定年制などを理由にかなわなかった。今回の参院選では県連が推した石川県議が公認争いに敗れた。石川は秘書として中野氏に１９年仕えた愛弟子。次回参院選で県議が公認候補に内定し「３年後のために汗をかく」と一転奮起。

岩手では小沢一郎氏に師事した平野達男元参院議員が自民新人の選対本部長を務める。平野氏は１９年の参院選で旧民主から自民に看板を一新して臨んだが、小沢氏が擁立した無所属新人に惜敗した。その後も「県政の流れを変える」とぶれることなく、自民３０年ぶりの議席獲得の先頭に立つ。

市川一朗元参院議員は４選を目指した１０年の参院選で県連が新人を擁立、孤軍奮闘の末に破れた。「引退から１０年以上たち、多くを語るべきではない」としつつ、こうかみしめた。「自民党は組織のように見えて実は個人の集まり。どうすれば人が動いてくれるかは永遠のテーマ。動くには大義名分も必要だ」